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有機化学2021.10.05

CF Plus Chemicals社 フルオロアルキルアジドから新規な
フッ素含有複素環化合物へのアプローチ

フルオロアルキルアジドから新規なフッ素含有複素環化合物へのアプローチ

クリックケミストリーの登場により,有機アジドは有機合成やコンビナトリアルケミストリーにおいて,非常に汎用性の高いビルディングブロックとなりました。一方で、これまでに流通している低分子量のフッ素含有アジドは非常に限定的となっています。
フッ素化合物のスペシャリストであるCF Plus Chemicals社は、このギャップを埋めるべく、これまでに報告されていないフルオロアルキルアジドを、安全で扱いやすいTHFまたはDMEの希薄溶液として幅広く提供しております。これらの製品は、これまでにないN-フルオロアルキル化合物への誘導を可能とします。

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フルオロアルキルアジドの用途

トリフルオロエチルアミンおよびジフルオロエチルアミンは薬物のpKa調節のために使用されます。還元的アミノ化によって薬物へ導入する方法では、これらアミンの求核性が低いことにより、反応がうまくいかないことがあります。代替法としては、Aza-Wittig反応に続くイミン還元による導入があげられます。この方法では立体障害のあるケトンでも効率よく導入することができます。
フルオロアルキルアジドは,CuAAC(Cu-Catalyzed Azide Alkyne Cycloaddition)により位置選択的に1,4-二置換 1,2,3-トリアゾールを生成します。また,フルオロアルキルアジドは固有の求電子性を有するため,ピロリジン触媒を用いたアジド-ケトン[3+2]環化付加反応により,容易にエノール化できるケトンと結合し,三置換トリアゾールを得ることができます。
CF_Plus_Chem 1,4-二置換フルオロアルキルトリアゾールは電子不足であるため、Rh触媒を用いた渡環反応を行うことができます。イミダゾール、ピロール、ピロロン、イミダゾロン、アゼピンなど、さまざまなN-フルオロアルキル化されたアザヘテロ環に変換することができ、創薬のための化学空間を大きく広げることができます。
CF_Plus_Chem_PickUp アジドを有するトリフルオロメチルケトンを用いて、二官能性化合物のビルディングブロックを構築することができます。求電子性のケトンをクリックケミストリーにより穏やかに導入することができ、それ自体をセリンプロテアーゼの可逆的反応性阻害剤の設計に応用することができます。また、その高い求電子性は求核付加反応、還元的アミノ化、インドールとのフリーデル・クラフツ反応にも利用でき、様々な分子へと拡張することができます。
CF_Plus_Chem_PickUp ビス(トリフルオロメチル)カルビノールは、創薬において、弱酸性水素結合供与体として使用されます。アジドやアルキンを含むビス(トリフルオロメチル)カルビノールは、クリック反応や薗頭反応によって容易に組み込むことができので、新しい医薬品や農薬の候補探索に有用です。また、親水性で対称性のある19F-NMRプローブとしても使用することができます。

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フルオロアルキルアジドを19F-NMRプローブとしたケミカルバイオロジーへの応用

生体分子へ容易に導入できる19Fセンサー

対称なアジドを含む19Fプローブを生体分子に導入するには、de-novo合成では高価で時間もかかりますが、クリックケミストリーでは、容易に入手可能なアルキンを含む生体分子へ簡単に再現性高く導入することができます。

レポーターの多様性

1のクリックケミストリーによって、フッ素化された様々なレポーターを導入、試験することできます。また、その他のフッ素化されたレポーターは、別のセンシング技術にも使用されます。

研究開発費の節約

1種類のアルキン含有生体分子のみを出発物質とし、そこへ数種類の19Fセンサーを簡単に導入することができます。これにより、従来のde-novo合成に比べて研究開発にかかる費用を大幅に削減することができます。その効果は生体分子の複雑さにもよりますが、非常に大きな節約効果が期待できると考えられます。

最近のトレンドに合わせて

生体分子のNMR分光法は、溶液中の薬物やタンパク質の相互作用を調べるツールとして利用されています。フルオロアルキルアジドキットは、生体分子に関するこれらダイナミクスについて、迅速かつ詳細に調査をすることが可能なツールボックスとなっています。

フルオロアルキルアジドを利用した医薬・農薬分野での利点

製薬会社や農薬会社のイノベーションを促進

フルオロアルキルアジドは、創薬研究において、これまで合成できなかった、あるいは合成が非常に困難だった候補化合物の創作に役立ちます。例えば、N-フルオロアルキル化誘導体などが挙げられ、合成レパートリーを拡大することができます。農薬研究では、農薬候補をフルオロアルキル化することで、酸化的光分解に対する耐性を高めることができます。

代謝耐性の向上

フッ素化は、バイオアベイラビリティーや薬理活性、不必要な薬物代謝の阻害など、物理化学的・薬理学的特性を改善するために利用されています。(例えば、代謝に強いN-トリフルオロメチルアゾールに置き換えることで、N-メチルアゾールのin-vivoでの脱メチル化を阻止することができます)。

使用上の安全性と利便性

一般的にこれらのアジド化合物は、その特異な危険性を有することから、その使用が困難とされていました。CF Plus Chemicals社は、これらの化合物を安全に生成し、溶液として調整する方法を確立しています。また、ケーネン試験やハンマー落下試験も行い、これらの溶液が国際航空輸送及び取り扱いの安全基準を満たしていることも示しています。  試薬はTHFまたはDME溶液として供給が可能です。これらの溶液は、一般的なシリンジを使用して、簡便に取り扱うことができます。

1キットから様々な候補化合物へ

フルオロアルキルアジドキットは、クリック反応を使用して様々なフルオロアルキルアジドの類縁体から、医薬品/農薬候補の誘導体を合成することができるキットです。

コンビナトリアルケミストリーとの互換性

温和な条件下で行えるクリックケミストリーは、高い再現性が見込まれるため、フルオロアルキルアジドを利用することで、DNA-Encoded Library(DEL)などの新しい創薬プラットフォームに対応することができます。

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