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有機化学2022.03.22

Genovis社 FabDELLO

FabDELLO

FabDELLOの特徴

FabDELLOは、ヒトIgGのヒンジ領域上流の単一部位を消化し、還元条件を必要とせずに2時間以内にインタクトなFabおよびFcフラグメントを生成するプロテアーゼです。この酵素は、変異したヒンジ領域を有する抗体に対して活性があり、重要な品質・特性評価のために有用な中間レベルのLC-MSを可能にします。

治療用抗体の候補におけるヒンジ領域の変異はエフェクター機能を低下させるための一般的な修飾です。しかし、この変異は、基質特異性の高い酵素の抗体消化効率に影響を与える可能性があります。たとえば、一般的なLALA変異を含む抗体おいて、特異性の高いFabRICATOR(IdeS)での消化効率はネガティブな影響を受けます。

FabDELLOの詳細

FabDELLOは、ヒンジ領域の上流にある露出したリジン残基に特異的に作用し、変異したヒンジ領域を持つ抗体の一般的な中間レベルのLC-MS分析を可能にします。
一例として、ヒンジ領域にLALA変異を有する市販のIgG1リサンキズマブをFabDELLOで消化し、逆相LC-MSで分析しました。 消化により、均質なFabおよびFcフラグメントが生成されました。 中間レベルのLC-MS分析のために、フラグメントを20 mMDTTで還元しました。 これにより、均質なFc / 2、軽鎖(LC)およびFdフラグメントが生成されました。 FabDELLOで消化した後に観察されたピークは、均一なフラグメント生成と酵素の堅牢なパフォーマンスを示しています。



Figure 1. The commercial IgG1 risankizumab, with a LALA mutation in the lower hinge, was digested with FabDELLO and analyzed by reversed-phase LC-MS on a Waters™ BioAccord™ system equipped with a Waters™ BioResolve™ RP mAb column (2.1 x 50 mm). Top: UV 280 chromatogram of Fc and Fab subunits analyzed non-reduced. Middle: Deconvoluted Fc spectra. Bottom: Deconvoluted Fab spectra.

Figure 2. The commercial IgG1 risankizumab, with a LALA mutation in the lower hinge, was digested with FabDELLO and the digested material was subjected to 20 mM DTT for 1 h at 37°C to reduce the cysteine bridges. The sample was analyzed by reversed-phase LC-MS on a Waters™ BioAccord™ system equipped with a Waters™ BioResolve™ RP mAb column (2.1 x 50 mm). UV 280 chromatogram showing Fc/2, LC and Fd, and deconvoluted Fc/2, LC and Fd are shown.

製品リスト

ストリップウェルにて8 x 100 units または 96 x 100 unitsで提供しています。1ウェルにてヒトIgG1 100 µgを消化することが可能です。

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